【チューナー列伝】ESPRIT・前川 勝 -Masaru Maekawa- 【レジェンドが語る主張と展望】

公開日 : 2018/10/25 18:12 最終更新日 : 2018/10/26 00:29


激動のチューニングシーンを最前線で闘い抜いてきたトップチューナーに、チューニング業界の展望を語ってもらった。今の時代に何を感じ、これからの時代に何をすべきか…。そのメッセージから未来のチューニングシーンを読み抜いてほしい。


ESPRIT@前川 勝

エスプリ 三重県鈴鹿市住吉3-19-1 ☎0593-70-8080

 

「コアで濃いユーザーが主流になるから、自分たちも見識を高めての対応がマストになる」

 

 

今と未来というといくつか思うことがあるけれど、まずいくらハイブリッドだEVだとなっても、今までの延長線上のガソリンエンジンチューンはなくならず求められ続けるってこと。だから、今まで経験を重ねてきたものは今後も活かされていくのは間違いない。

 

ただし、これまでが流行りでチューニングカーに乗る人が主流だったのが、今後はユーザーがコアになっていくだろうとも予想している。

 

だから、我々もエンジンのこと、駆動のこと、サスのこと、エアロのことなど、あらゆるパフォーマンス向上要素に精通していかないとお客さんの求めるものが作っていけなくなるでしょうね。これが、流行りから定着した文化、ホビーへの移行という流れです。

 

ただし、流行がなくては盛り上がりもないので、我々もメディア(OPT)も高い見識で提案し続けなくてはいけないので大変ですよ。

 

そしてメカに関しては、86のツインチャージャーを作ったことで新しいものが感じられた。ターボと遠心式スーパーチャージャーで直列過給することによるメリットは大きかったし、頭打ちポイントがあることも知ることができた。今後は、ターボとスーパーチャージャーのバランスをさらにベストなマッチングに向けて模索していこうという気持ちになった。パッと走って最高速が270km/h以上ってことに刺激を受けてくれた方も多かったよ。

 

そしてこれからやりたいこと、それは個人的な趣向ではあるんだけど、これまで手がけたエンジンを改めてじっくりやり直してみたい。技術とパーツは常に進化しているから、当時と同じ手間をかければまったく性能の異なるチューニングカーを作れるだろう。

 

歴代手がけたすべての車種やエンジンを…ってのが興味なんだけど、実際にはRB26、2JZ、REなどに関しては今後も手がけ続け、新たな技術でもっと高い性能のチューニングカーを作ることができると思う。

 

マニアを満足させる情報収集力と技術、これを備えれば新しい時代を切り開いていけると信じているよ。

 

 

その効果にエアロの見方が変わったのが、業界に先駆けてGTウイングを製品化したきっかけ。ツインチャージャー仕様の86を作ったことでその時と同じような可能性を感じることができたという。写真のハチロクはツインチャージャーで276km/hの最高速をたたき出した。サーキットでも低速トルクの向上が武器になっているという。

 

レギュレーションのないタイムアタックの世界は、チューナーにとって挑みがいのあるステージと言い切る前川さん。こののNSXはターボ化したエンジンを縦置きにするなど、独自のアプローチで10年以上アップデートを重ねてきた。現在もリメイクを敢行中だ。