【1972 DATSUN 240Z】美麗なワイドボディと輝くチューンドRB25ユニット、すべてはオーナー自身による渾身のメイキング! | web option(ウェブ オプション)

【1972 DATSUN 240Z】美麗なワイドボディと輝くチューンドRB25ユニット、すべてはオーナー自身による渾身のメイキング!

「実地を通して身につける」ことを、英語では“hand on〜”という。自宅ガレージで“hand on〜”することにより、溶接やパーツのワンオフ、果てはエンジンスワップまでこなすようになったオーナー。「自らの成長がクルマに終わりなき進化をもたらす」と語る。豊穣なる“Z-car”カルチャーで培われたノウハウも活かしたダットサン240Z。その魅力は無限大だ。

 

 

プライベーターの意地と創作意欲が作り上げた大作

 

 

プライベート・ビルダーであるリチャード・マドランバヤンが、手塩にかけて作ったダットサン240Z。見た目の派手さからショップのデモカーかと思われがちだが、エンジンスワップやパーツの取り付けなど、主な作業はリチャード本人が行っている。

 

とはいえ、リチャードはクルマとは無縁の仕事を生業としており、決してプロのビルダーというわけではない。それでも子供の頃からとにかくクルマが好きで、いまも寝る間を惜しんでクルマについて考えるのが日課という、生粋のエンスージアストでもあるのだ。

 

アメリカでは“Z-Car”のファンによってネット上に立ち上げられたフォーラムが数多く存在する。そこでは有名なメーカーの製品に限らず、技術のあるアマチュアが製作したオリジナルパーツが紹介されたり、純正流用や他車種流用術、どこかの誰かが実践したカスタムの実例など、さまざまな情報が掲載されている。

 

そうした情報源からリサーチを重ね、知識をアップデートさせてきたリチャード。「人とは違うクルマを作りたい」という強い信念にも支えられ、脳内に渦巻くさまざまなアイデアを自らの腕で具現化してきた。

 

エンジンは北米には輸出されていなかったR33/34スカイラインなどに搭載されたRB25DETをチョイス。オイルパンの加工と移設に必要な切断や溶接の作業も覚え、CX Racingからリリースされているマウントキットを利用しながらエンジンスワップを実行した。

 

トランスミッションは日産純正5速MTを使い、カスタムメイドのプロペラシャフトで長さを合わせ、ファイナル3.9のLSDを備えるスバルWRX STI純正デフにジョイント。デフマウントにはオリジナルの製作者であるRon Tylerという人物にちなみ、Zファンの間でRTマウントと呼ばれている吊り下げ式マウントを使用している。

 

エンジン本体にはワイセコのピストン、イーグルのコンロッド、東名パワードのポンカムなど日米の高品質なパーツを投入。ターボはリチャードが住むカリフォルニア州オックスナードにあるAPEXパフォーマンスがカスタムしたφ62mmタービンを使い、同じくオックスナードにあるRDエンジニアリングがチューニングを担当した。パワーは現在の仕様になってからは計測していないそうだが、過去のデータから考えると600ps前後は出ていると推測される。

 

エクステリアはZTrixのワイドボディキットとRetro-Specのカーボンパーツ、そしてリチャード自ら製作したワンオフのカーボン製サイドスプリッターやカナードで武装。往年のポルシェがレーシングカーに使用していたガルフカラーでペイントし、ほかのどの240Zとも違うオリジナリティを演出した。

 

数限りないアイデアを現実のものとしてきたリチャードだが、じつは次なるプロジェクトも既に進行している。聞けば今度はダットサン240ZにR35GT-RのVR38DETTを載せるというではないか。尽きることを知らないリチャードの情熱と探究心が、今度はどんな形で昇華されるのか。完成の時をじっくり待つこととしよう。

 

Photo:Akio HIRANO  Text:Hideo KOBAYASHI

 

 

 

 

カスタムメイドのターボチャージャーはサスタワーとのクリアランスを避けるように少し高めにマウント。セラミックコートされたCX Racingのエキマニ、TREADSTONEのインタークーラー、Tialのウェイストゲート&ブローオフバルブ、GReddyのインテークマニホールドなどが採用されている。一方で日産純正のN1ウォーターポンプ&オイルポンプ、アメリカンV8のLS2用イグニッションコイル、GMのセンサーなど、さまざまな純正流用術も活用。AEMのECUとウォーターメタノールインジェクションシステムも備え、燃料ラインもオリジナルで構築した。使用燃料はE85ではなく通常のガソリン。

 

ワイドフェンダーに収まるホイールはニスモのLM GT2をリバレルした3ピース仕様。リム幅12.5J、インセット40という超絶ワイド&深リム化を実現し、315/30R18という極太タイヤを装着している。サスペンションとブレーキはともにノンプロの製作者がZのコミュニティを通じて市販しているキットを使用し、S13シルビア純正コイルオーバーとウィルウッドのビッグブレーキにコンバージョン。ステアリングはRB純正の油圧ポンプ、トヨタ・ターセルのラックとスープラのタイロッドを利用してパワステ化した。

 

カーボン製のフロントスプリッター、カナード、サイドスプリッターはリチャードが成形と取り付けを自ら行ったオリジナルパーツ。リヤディフューザーはRE雨宮スタイルのマツダRX-7用を加工して取り付けている。ヘッドライトやフロントウインカーはLEDで、電飾のようにユニークな光り方をするzLEDs製カスタムLEDテールライトも装備。

 

ダッシュボードとセンターコンソールにはMSAのカバーを装着してリフレッシュ。シートもレザートリムに張り替えられたNRGのバケットシートを備える。メーターホルスターの中にはSpeedhutの各種メーターや燃調を司るZeitronixのワイドバンドゲージをインストール。オーディオシステムもオリジナルで組まれ、カスタムインストールされたドアスピーカーはインフィニティの純正品が使用されている。

 

 

 

自宅ガレージで情報収集したり、限られた工具を使ってクルマをいじることがなによりの楽しみと語るリチャード・マドランバヤン。RDエンジニアリングのような、よき相談相手となってくれるプロが自宅近くにいることが心強く、新しいアイデアを思いつくたび足繁く通うそうだ。ガソリンスタンドで給油するたび、周囲の人から質問攻めにあうのがさすがにくたびれる、というのが贅沢な悩みだ。

 

 

 

スペック

■エンジン:RB25DET換装/RD Engineeringチューン/APEX PERFORMANCE TURBOS カスタム362ターボ、セラミックコートハウジング、アノダイズドビレットコンプレッサーホイール/ワイセコ ピストン/イーグル コンロッド/TOMEI ポンカム/GReddy ポリッシュドインテークマニホールド/Injectors dynamics 1300ccインジェクター/LS2用イグニッションコイル/CX Racing スロットルボディ/Champion アルミラジエター/カスタムアルミクーラントオーバーフロータンク/Tial MV-Rウエストゲート/Treadstone Perfomance インタークーラー/AEM スタンドアローンECU、ウォーターメタノールインジェクションキット/RCI 燃料タンク/HKS ハイパワーマフラー、カスタム3”エキゾーストパイプ

■駆動系:ACT クラッチ/STIリヤディファレンシャル、カスタムワンピースドライブシャフト/Modern Motorsport アウトプットフランジ

■フットワーク:ZCC JDM S13コイルオーバーコンバージョンキット、ポリウレタンブッシング/MSA 前後スウェイバー、リヤストラットバー/油圧パワーステアリングコンバージョン

ブレーキ:Arizona Z car 前後ウィルウッド ビッグブレーキコンバージョンキット

■ホイール:ニスモLM GT2改(12.5J×18)

■タイヤ:アゼニスRT615K(315/30R18)

■エクステリア:ZTrix 280YZワイドボディキット、カスタムフード/Retro-Spec カーボンスポイラー、カーボンテールゲートパネル/カスタムカーボンフロントスプリッター、カーボンサイドスプリッター、カーボンリヤディフューザー、カーボンカナード/ガルフカラーペイント/MSA ヘッドライトカバー/zLEDs カスタムLEDデジタルテールライト

■インテリア:Speedhut タコメーター、GPS付きスピードメーター/NRG レザー張り替えバケットシート/カスタムカーボンラップドドアパネル/MSA ダッシュキャップ、アームレスト&センターコンソールカバー