【エンジン別3ステップチューニング】TOYOTA/SUBARU FA20編【Tuned by カンサイサービス】

ENGINE SPEC(STD)

形式:水平対向4気筒DOHC自然吸気

ボア×ストローク:86.0×86.0(mm)

総排気量:1998(cc)

圧縮比:12.5

最高出力:207ps/7000rpm

最大トルク 21.6kgm/6400〜6800rpm

 

※スペックは後期6MTモデルのもの

 

 

 

バルタイの最適化と排気抵抗の低減で中間トルクの落ち込み解消が必須!

 

 

86&BRZに採用される水平対向2L NAのFA20は、低重心搭載でFRスポーツの仕上がりを左右する重量バランスで考えると優れたエンジン。ただ、カタログスペックこそリッター100psを果たしているとはいえ、常用域となる4500rpm付近にトルクの谷があるため、スポーツ走行時にストレスが溜まりがちだ。

 

では、その原因がどこにあるのかというと、燃費性能に配慮してマネージメントされたデュアルAVCSやEXマニを中心とした排気効率の悪さ。

 

そのため、カンサイサービスではエキマニ&キャタライザーで排気効率を高めつつ、フラッシュエディターで可変バルタイや燃調を中心としたマネージメントの最適化を施す2ndステップをNAチューンのスタンダードメニューに位置づけてきた。

 

スペック的にはターボのような大幅ポテンシャルアップといかないが、中間トルクの谷間解消と高回転域の伸びが引き出されることで走りの楽しさはノーマルと段違い。トルク感の物足りなさから無駄にアクセルを踏み込んで高回転を多用してしまうようなシーンも少なくなるため、実は乗りやすさや燃費面でも有利になっていく。

 

なお、そこからモアパワーを狙っていく場合、コストパフォーマンスを考えると過給機チューン一択だ。排気量アップやハイカムといったNAチューンも確立されているのだが、高額な費用に対しての見返りは正直なところ少ない。そのため、NAライクなフィールでパワーとトルクを大幅に底上げするHKSのGTスーパーチャージャーが最終目標となる3rdステップに設定されている。

 

ちなみに、FA20はオープンデッキゆえのブロック剛性の関係から、安全マージンを含めて300ps付近までにまとめるのがポイント。また、泣き所とされるMTに関しては、35㎏mオーバーで不安領域に突入していく。

 

GTスーパーチャージャーならフューエルアップグレードキット投入でさらなるポテンシャルを狙っても安全圏内へしっかり収められるため、耐久性とパフォーマンスを高めるFA20チューンのベストメニューと言えるだろう。

 

 

サンプル車両

86Kouki[ZN6]

FA20は86&BRZへ搭載される直噴NA仕様の水平対向エンジン。後期MTモデルではマネージメント見直し&アルミ製インマニへの変更が図られたが、やはり中間トルクの谷や高回転域での伸びの悪さは解消されなかった。

 

 

指南役

カンサイサービス 向井敏之さん

「FA20単体で考えれば非力だけど、FRスポーツとしてのパッケージングで周辺環境も含めてバランスさせていけば、走りの魅力は格段に高まっていくよ。水平対向の構造上、油温やフリクションが厳しくなるので、エンジンオイルやオイルクーラーも早い段階からこだわって欲しいね」。

 

 

1st STEP

マフラー交換+スピードリミッター解除

目標出力:182ps(実測値)

コスト:約20万2000円

構成パーツ:HKSハイパワースペックLマフラー、フラッシュエディター(フェイズ1データ)/取付工賃

 

向井’s VOICE

「まずはスポーティさを手軽に引き出してみようということで用意したメニューが、マフラー交換+スピードリミッター解除。高速サーキットだとフルノーマルでもスピードリミッターが作動することもあるから「スポーツ走行を楽しもう」という想いも込めてフラッシュエディターをチョイスしているんだけど、早い時期に2ndステップへ着手する予定ならマフラー交換だけにして、オイルクーラーに浮いた予算を割いてもいいね。ハイパワースペックLマフラーは洗練されたレーシースタイルで軽量だし、過給機チューンへとステップアップしても問題なく使える好アイテムだよ」。

マフラーをルックス重視で選んでしまうと、過給機チューンへステップアップした際に排気効率が厳しくなることもある。写真のリーガマックススポーツや、1stステップに挙げられたハイパワースペックLなら、こもり音を低減しつつ過給機チューンにも対応する性能が与えられているため、ステップアップ時も無駄にならない。なお、スポーツ走行時の油温を考慮してオイルクーラーを先行投入する場合、最終的に過給機チューンを視野に入れるならインタークーラー投入の邪魔とならないようにフェンダー内タイプとしておこう。

 

 

2nd STEP

排気系チューニング+ECUセッティング

目標出力:198.6ps(実測値)

コスト:66万3000円

構成パーツ:HKSスーパーマニホールドwithキャタライザーGTスペック/Kansai フラッシュエディター・オリジナルデータインストール、断熱処理およびサーモバンテージ施工、取付工賃

 

向井’s VOICE

「FA20のポテンシャル発揮を邪魔しているEXマニ部分の触媒を、浄化性能を落とさずに低抵抗となるメタルキャタライザーで対策。さらに、中間トルクの落ち込みにつながっている可変バルタイや、高回転域の燃料の濃さを最適化したオリジナルデータにフラッシュエディターで書き替えるのが2ndステップ。1stステップにフラッシュエディターの現車セッティングでも中間トルクや高回転の伸びは確実に高まるけど、やはりEXマニでの排気抵抗もしっかり対策した方がチューニング効果は期待できるよ。剥き出しのままだと見栄えはカッコいいけど、油温中心に熱影響を抑制すべくEXマニはバンテージ巻きで断熱処理するのがポイントだね」。

1stステップで投入したフラッシュエディターを利用し、デモカーで細部まで煮詰められたKansaiオリジナルデータをインストール。EXマニ&メタルキャタライザーで根本的な排気抵抗も対処できているため、ハードとソフトの双方からのアプローチでFA20の弱点だった中間トルクの落ち込み対策に加えて高回転域の伸びも引き出せる。余談だがFA20はノッキングが頻発すると直噴インジェクターのシール部分にダメージが生じやすい。適正な点火時期はもちろんだが、極力おなじスタンドで給油してガソリンの質を安定させたい。

 

 

3rd STEP

ボルトオンスーパーチャージャー

目標出力:251.6ps(実測値)

コスト:49万6000円

構成パーツ:HKS GTスーパーチャージャーシステム、スーパーファイヤーレーシング(M45HL)/Kansai フラッシュエディター・現車セッティング(A/F計使用)、パワーチェック、取付工賃

 

向井’s VOICE

「排気量アップにハイカム…といったNAチューンだと100万クラスで一気に高額となるわりに、ポテンシャルアップはさほど期待できない。そこで手軽にパワフルさが引き出せる過給機チューンの出番だね。HKSのスーパーチャージャーなら、NAフィールでパワーとトルクの大幅な底上げが図れるし、250ps仕様ならハードに走り込まない限りはクラッチもノーマルのまま対応できるのが魅力。ターボのように熱対策もシビアじゃないから、オイル交換とベルトのメンテだけしっかりしておけばトラブル不安がないのもポイントだよ。ここからモアパワーを追求したいとなった場合でも、フューエルアップグレードやクラッチ強化で、リーズナブルに300ps仕様へ導けるよ」。

回転とともにブースト圧が高まっていくGTスーパーチャージャーなら、NAライクなエンジン特性でターボ化した時のような違和感は皆無。なお、フラッシュエディターには専用データがプリインストールされたモデルも用意されているが、パワーライター店のカンサイサービスでは、1stステップからフラッシュエディターの現車セッティングによって、ロスのないベストマネージメントを図る。ちなみに、大容量インジェクターなどセットされたフューエルアップグレードキットは定価7万8000円。強化クラッチなど含めてもリーズナブルに300ps仕様へステップアップ可能だ。