世界を席巻するロケットバニーブランド! 稀代のエアロデザイナー・三浦慶という男の生き様【Rocet Bunny/PANDEM】

公開日 : 2018/10/12 08:23 最終更新日 : 2018/10/12 12:28

86&BRZがデビューした2012年のSEMAショーでとにかく装着率が高かったのがロケットバニーのエアロキット。1970年~80年代にかけて“ワークスフェンダー”として大流行したビス留めオーバーフェンダーを現代風にアレンジした迫力のスタイリングはカスタム度の高さをストレートに表現できるとして、瞬く間に大ブームとなった。日本やアメリカに留まらず、タイや中国、韓国にロシアにブラジル…といま、世界の改造車フリークがロケットバニー・三浦氏の作品に期待しているのだ。

 

 

「どんなに速いクルマだって、カッコ悪いとファンつかないッスよ」

 

 

「単車もクルマも好きで、もちろん改造するのが大好きやったんです」という三浦さん。20歳で造形の世界に飛び込み、22歳でTRA京都を起業。当初は遊園地の乗り物を造形していたそうだが、「材質は一緒やし」と、下請け業としてのエアロパーツ開発に着手したのが24歳の頃。今から20年以上も前のことだ。

 

旧車に向けたレース用のワンオフエアロから始まり、まもなく市販用エアロの製造を開始。すると、その巧妙なボディワークと独自のセンスが噂となり、折しものエアロブームと相まって注文が殺到。現在も変わらないが、名門ブランドや有名ショップの裏方として、多数のモデルを世に送り出してきた。

 

そんな中、オリジナルエアロとして展開したのが『ロケットバニー』だ。軽自動車用ブランドとして立ち上げられたことは意外だが、70年代風味を取り入れたレーサースタイルが注目を集めた。キーパーツとして『ビス留めオーバーフェンダー』を駆使しており、すでに基本骨格は形成されていたと言える。

 

そして、このコンセプトをスポーツカーに転用し、07年に立ち上げたブランドが『6666(フォアシックス)カスタムズ』。やはりワイドフェンダーありきだが、フロントに純正交換タイプ、リヤはフェンダー全体を覆うパネルタイプを採用していたのが特徴。しかし、6666カスタムズこそ現在のロケットバニーの源流となった。

 

1~2世代前の車両に向けたラインアップで、ドリフトユーザーをメインターゲットとするだけに、リーズナブルさを徹底。フェンダーは手軽さを追求して純正フェンダーに貼り付けるワークス仕様へ一新された。純正交換タイプのように「チリが合わない」といった個体差に左右されず装着でき、裏まで作り込む必要がないなど、ワークス仕様のメリットは少なくない。

 

「スポーツカー用は6666カスタムズとして売り出したんやけど、アメリカ人には“ロケットバニー”で定着してしまった」とは三浦さん。極低車高とワイドフォルムが構築する不良っぽさは、三浦さんが熱い時代を過ごした80年代の雰囲気を具現化したわけだ。

 

そして、トラストとのコラボで発表した86&BRZ用がSEMAショーで話題を総ざらいにすると、ロケットバニーは知名度を世界規模のものとし、いまや開発依頼も国内に留まらなくなった。その後、ブリスターフェンダーを軸とするパンデムを立ち上げると勢いはますます加速。いつしかデザイナー『KEI MIURA』は、世界中のチューニングファンたちの間で伝説的存在となったのである。

 

【Photo:南井浩孝】