【細谷弘人×180SX 2016spec】ドリドレ界を牽引する異端児が創出した惡帝トランスフォーム

時代に逆行するパフォーマーであり続けるために

 

 

シャコタンを追求してパイプフレーム化!

 

この180SXは、車高を気にしない大会系が蔓延する現代ドリフトへのアンチテーゼのつもりで、ドリドレ界を牽引するドリフター細谷弘人が2016年に製作したマシンだ。

 

最初はサイクルフェンダー仕様だったのだが、SNSなどで海外の改造情報を収集していくうちに思考がエスカレート。そして2015年に、バルクヘッドから前の部分をフレームのみ残してパイプフレーム化するという超大技に打って出たのである。

 

このパイプ仕様は、日本全国のドリドレ野郎たちに衝撃を与え、以降のジャパニーズ・シャコタンドリメイクに大きな影響を及ぼしたことは言うまでもない。

 

 

そして、これらの作業はほとんど自作ってのもすごい。会社に許可をもらって機材を揃え、仕事が終わったら作業、休日も職場で作業ってスンポーだ。会社は廃タイヤ処理業だから、溶接や塗装などは仕事柄ってわけでもない。あくまで趣味でやってること。いまでは仲間のクルマをオールペンしたり、ボディ加工を手伝ったりしているほど。

 

いっぽうで、エンジンやボンネット加工などの作業については自分でやらずに専門ショップにお願いしているところも細谷流。奇抜なボンネットはエアロメーカーのサノデザインに、エンジンはセッティングまでふくめてゼロヨン界で有名なTMワークスにそれぞれ依頼している。もちろん、お金はかかるけど「エンジンとか自分でも組めるとは思いますけど、どっかで手抜きしちゃいそうだし面倒じゃないですか。餅は餅屋って言うし!」とのこと。

 

 

また、本人は走りよりルックス重視と言うけど、あくまでメインはドリフト。「この車高でラジコンみたいに切れ角あってグイグイ走れたらおもしろいし、気持ち悪いでしょ!?」と細谷くん。この手のドシャコタン車はチョイドリ仕様が多いのだけど、この男がねらっているのはギャラリーを感動させるような見た目以上の激しい走り。だからこそ、エンジンもキッチリと手を入れているというわけだ。実際に細谷くんはエキスパートクラスのウデがあるのだ。

 

最後に。細谷くんの性格をよく表している改造をひとつ紹介しよう。サイドウインドウ部に貼られたセーフティネット。装着理由はズバリ「走行会で窓を開けて走ってワンハンドしたいから!」。そう、この男は生粋の目立ちたがり屋でありパフォーマーなのである。

 

(ドリフト天国2016年12月号より抜粋)

PHOTO:Hiroki Iwashima

 

 

エンジンルームはエンジン本体をふくめて今回の撮影の前にペイント。腰下はHKSの87φ鍛造ピストンを軸に2.1L化。ヘッドもHKSのステップ1カムで高回転域のパワー追従性を引き上げなどキッチリと手が入っている。これらはECUのセッティングまでふくめてTMワークスが面倒を見ている。

 

タービンは500psを出力できるT67-25Gと同サイズという台湾MAMBAのM06L25タービンをセット。サージング対策のポーテットシュラウドがかっこいい! ウエストゲートはトラストRで大気解放口をバンパーサイドに設けている。セッティングはこれからのため現時点での馬力は不明だ。

 

パイプフレームのためバンパー&フェンダーを外せばこのような状態に! パイプはロールケージの廃材を利用した30φ。インタークーラーは水平マウントでその下にラジエターを逆Vの字で配置。ボンネットダクトからエアを取り入れて下に流すレイアウトってわけだ。

 

レーシングを追求した結果、ブレーキは脅威のマスターバックレス! その上に見えるのはサードのスワールポッドだ。

 

 

ダッシュはアルミ板で製作。助手席側に配置したipadにはデフィのスマートメーターを表示する。アナログとデジタルが融合したコクピットだ。

 

センターパネルに埋め込まれたモニターはバックモニターとして機能する。ミッションは純正で、サイドはGKテックのキットを使ってツインキャリパー仕様にしたうえで油圧化している。シフト左に見えるのはブレーキバランサーと燃圧レギュレーターだ。

 

シートはブリッドのジータⅢカーボンケブラー仕様。黒タカタのシートハーネスはパチモンとのこと。フロアはクラック塗装で、燃料配管もベンダーで曲げて自作している。

 

 

純正燃料タンクは擦ってバンド切れ&落下経験があるのでATL製に変更。あわせて燃料ラインも新規で作り直してるんだけど、路面との接触を嫌ってなんと室内を這わせている! ロールケージはセーフティ21改で、ボックスも自作だしスポット増しもやってある。

 

 

フロントバンパーは前期純正をベースにウインカーやプレスラインをスムージング。恐ろしい形状のボンネットはワンオフ品だ。フェンダーは汎用鉄板100mmワイド。アーチ上げはフロントで約80mm、リヤ130mm! リヤウイングは往年のウェーブっぱね。

 

 

ディフューザーはアルミ複合板のアルポリックボードで製作。以前は5枚羽仕様だったんだけど気に入らず、6枚羽仕様へとバージョンアップした。

 

 

ホイールは前後16インチでBBS RSの10.5J-60。CARUの4.0インチアウターリムを逆組みしたリバレルだ。タイヤはディレツァZ2(205/40)、リヤケンダKR20(205/45)。ドリケツ用もRSで揃えているのはすごい!