【最新パーツ情報】HKSが展開するGTIII RSタービンの実力を探る

公開日 : 2018/09/17 20:27 最終更新日 : 2018/10/10 15:28


最近HKSのGTIII RSタービンを装着してるシルビアを見かける機会が多い。GT-RSの後継タービンという位置付けのモデルなのだが、いったいどれほどの性能を秘めているというのだろうか。

 

ミドルレンジクラス最強か!?

ひとむかしまえでは考えられない脅威の全域型

 

 

 

HKSのアクチュエーター型タービンシリーズと言えば、GT-SSにしろGT-RSにしろボールベアリング軸受けを活かしたレスポンス重視の味付け…というイメージがあったが、2017年にデリバリーされたGTIII RSはそうした過去のイメージと決別するかのような新設計で生まれてきたモデルだ。

 

まずは軸受け。GTタービンとしては異例のフローティングメタル式を採用しているのだ。それじゃあ低速型を捨てたのかと言えば決してそうではなく「GTIIIはボールベアリングにする必要がなかったんです。ボールベアリングのメリットは低過給領域でのブーストレスポンスのよさなんですけど、そのレスポンスをインペラ形状で達成できたので。それにボールベアリングってサージングとの戦いなんですよ。これを消すのってかなりむずかしくて」とはHKSの作増さん。

 

そう、このGTIII RSはコンプレッサーホイール(インペラ)こそコア技術と言っても決して過言ではない。この羽根はタービンホイールが生み出した動力で回転する空気圧縮用のホイールだ。タービン側とはちがい熱問題に悩まされないから、アルミなどの軽合金素材での成型が一般的なのだが、GTIII RSはアルミ削り出しとし、形状は流体解析ソフトで導き出した羽根同士が複雑にからみあうオーバーラップ構造を採用している。

 

「GT-RSは鋳造品だったんですけどね。鋳造だとどうしても鬆(す=空気孔)ができてしまい強度を確保することがむずかしいんです。削り出しならそれはないので、薄くしても壊れない。つまり軽くて高過給に耐えるインペラが作れるんですよ」。

 

これにより、フローティングメタル式軸受けでもGT-RSと同等のブーストレスポンスを手に入れつつ、高過給にも対応できるスペックに仕上げることができたわけだ。パワーカーブを見てもらえばお分かりのとおり、その特性はまさに全域型。ひと世代前では考えられないパワーカーブを描いている。

 

HKSはこのGTIIIを次世代モデルと位置づけ、ウエストゲート式や大風量モデルの開発もはじめている。自動車メーカー自体がダウンサイジングターボを追求し、タービンの高効率化を求める昨今、アフターパーツメーカーの雄もまた、チューニング界に新しい流れを巻き起こそうとしているのかもしれない。

 

 

 

製品仕様

HKS

GTIII RS SPORTS TURBINE KIT

 

対応:SR20DET

価格:22万円(税抜き)

キット内容:タービン、エキゾーストガスケット、オイルインレットパイプ&アウトレットパイプ、各パイプ系ガスケット 他

 

 

 

ホービンホイールが生み出した動力で回転する空気圧縮用のホイール(インペラとも呼ぶ)だ。タービン側とはちがい熱問題に悩まされないから、アルミなどの軽合金素材での成型が一般的。HKSはアルミ削り出しとし、形状は流体解析ソフトで導き出した羽根同士が複雑にからみあうオーバーラップ構造を採用。

 

 

排気の圧力と流量で回転するホイールで、いわゆるシステムの動力源だ。素材は熱に強いインコネルが一般的でHKSもそうしている。GTIII RSのばあい、排気が当たるブレードを進行方向に大きく突出させ、ブレード間に流れ込んだガスの膨張エネルギーをロスなく受け止めるよう工夫されている。

 

 

エンジンオイルの圧送によってシャフトがメタルの中央に浮いた状態となり、金属同士が触れあわない流体軸受けだ。かつてHKSは油圧変化に左右されずレスポンスにすぐれるボールベアリング式をメインとしていたが、インペラ形状の改良によりメタル式のままボールベアリング式にせまるレスポンスを獲得。そのためサージングを抑えやすく耐久性にすぐれるメタル式を選択したわけだ。

 

 

 

これは流体解析ソフトでGTIII RSのコンプレッサーハウジング性能を図にしたときのもの。こうやってソフトを使いながら効率のいい形状を導き出している。

 

 

 

シャシダイによるパワー計測結果。テスト車両は、腰下にHKSの2.1ℓキットを組んでヘッドにHKSのステップ1カム(256度)を投入した仕様。制御はVプロ+EVCでブースト圧は1.5キロで統一した。結果はごらんのとおりで、4000回転からの伸びが段ちがい! このグラフ見てしまうとGT-RSタービンを装着してるオーナーはショックだろう…。

 

 

 

HKS作増さん

「GT-RSはインターセプトからグアッと立ち上がるイメージですけど、GTIIIはインターセプト前からトルクフルでGがつねに一定なんです。なので体感的にはGT-RSのほうが刺激的にかんじるかもしれませんが、じっさいに走るとGTIIIのほうが圧倒的に速いはずです」