【新型スープラ開発秘話 PART.4】開発責任者 多田哲哉氏インタビュー

公開日 : 2018/09/01 14:01 最終更新日 : 2018/09/14 21:51


ミッションはスポーツオートマ

価格は800万円以下に収まる可能性が高い

 

 

稲田:スープラはチューニング業界の注目度も高いですからね。期待していますよ!

 

多田:発売は来年のなるべく早い時期を予定していますが、ぜひ新型スープラも86のときに行ったようなチューナーさんたちを集めての事前発表会みたいなものをやりたいと思っています。

 

稲田:さすがですね! ちなみに開発で苦労したところはどこですか?

 

多田:音ですね。開発は現在進行形なのですが、2019年から騒音規制がさらに厳しくなるんです。その環境下で快音を作るのが本当に大変で。

 

稲田:音量ではなくて音質を追求する時代ですからね。

 

多田:そこがむずかしくて。音色だけではワクワクこないというか、やっぱり音圧も必要なんですよね。

 

稲田:具体的なパッケージングも聞いてみたいですね。以前、ミッションはオートマのみの設定と他誌で読みました。

 

多田:正直言って、性能面で考えるとマニュアルミッションのメリットってほぼないんです。現時点ではね、残念ながら。そしてなによりトルコン式スポーツオートマチックの技術革新が凄まじい。変速スピードはツインクラッチ式と遜色ないレベルですから。それでいて重量も軽く作れる。もちろん、マニュアルミッションでガチャガチャやる楽しさはよくわかりますけどね。

 

稲田:じゃあやっぱりオートマ設定なんですね。

 

多田:これは言い訳に聞こえるかもしれないんですが、新型スープラのエンジンはものすごくトルクがあるんですよ。それこそ86の倍以上。マニュアルミッションって、対応エンジンのトルクが増れば増えるほど機構が複雑化していきます。プレートの枚数とかね。すると、シフトフィールもどんどん悪化していくんですよ。技術的には。本来、マニュアルミッションってちいさいエンジンほどフィーリングがいいんです。先代のホンダビートなど絶品でしたからね。だけどトルクが500ニュートン、600ニュートンの世界になると厳しい。ポルシェなんかはそれでも頑張っていますけど、あれは2000万円くらいのハイエンドモデルだからこそ可能なもの。かりにマニュアルミッションを開発してそれで車両価格が跳ね上がったとして、ユーザーのみなさんが納得してくれるんでしょうか。そんな話を、とあるインタビューで答えたら「スープラはマニュアル廃止!」みたいな記事が出て物議を醸したんです(笑) あ、もちろんマニュアルミッションも検討していますよ。そのへんは、営業部門とすりあわせていかなきゃいけないので慎重に進めていますけどね。

 

稲田:まぁどうしてもマニュアル仕様が欲しければ、それこそ改造してゲトラグあたりを積めばいいだけの話ですからね。

 

多田:そうですね。スープラ開発の原点は86の発想に近いものがあるんです。ベース車両は作るからあとは好きにカスタムして楽しんでくださいというスタンスですね。2JZエンジンが好きなら積めばいいし、マニュアルミッションが欲しければ市販のシーケンシャルという手もありますしね。

 

 

 

 

 

車両価格は予想外に現実的なのかも!?

 

稲田:なるほど。根っこには86のような自由度の高さがあって、でももっともっとポテンシャルが高いというわけですね。

 

多田:そうですね。86はあらゆるニーズに応えるためにああいうパッケージになりましたが、新型スープラは86という弟がすでにいるから思いっきりスポーツ方向に振り切ることができました。2シーターですしね。そういう意味では作りやすかったです。

 

稲田:値段は86の倍くらいですか?

 

多田:値段ですか。ぎゃくに、みなさんどれくらいなら納得していただけるんですかね?

 

稲田: スープラだからなぁ。800万円以下じゃないとボクはキツイかなー。理想は600万円くらい!

 

多田:なるほど…。ちょっとこのタイミングでは言えないですけど、みなさんの期待に応えられるように頑張ります。オプション誌で特集されるような存在になってほしいですからね。

 

稲田:タイミングを考えると、来年のオートサロンではやはり量産型のスープラが登場しますかね。

 

多田:そりゃなにかしらやりますよ! 「そうきたか!」って、みなさんがビックリするようなサプライズもあると思いますのでご期待ください。

 

稲田:楽しみだなー。なんにせよ、日本の新しいスポーツカーとして登場する新型スープラはオプションでも全力で応援していくので、よろしくねがいします!

 

 

 

 

こちらは7月5日に発表された2019年のナスカー・エクスフィニティシリーズに参戦予定のレーシングモデル。現在、多田さんのもとには世界中のレース関係者から「新型スープラをぜひうちの国のレースに!」というラブコールが送られてきているそうだ。